君は君のままでいて
「それは勿論わかってるけど、だからって蒼波くんと会える時にお洒落していない自分でいたくないんだもん。
ああん、やっぱりモスグリーンのスーツにすれば良かったあっ!」


結婚してから四半世紀は過ぎているのに、未だに恋する乙女のような発言をするお義母さんに、なんだか僕まで頬が緩む。


「局長の今日のストライプのスーツの事も、お義父さんは前に良く似合うって言ってらっしゃいましたよ。
それに化粧品なら、ちょっと贅沢ですけど中に入れば免税店で局長の好きなブランドの化粧品を購入出来ますよ。
荷物が増えてしまいますけど、どうですか?」
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