君は君のままでいて
なんだか微笑ましい気持ちで提案した僕の顔を、緑風とお義母さんが同時に振り向く。


「それだっ!」


「その手があるじゃないっ!」


ふたりしておんなじ表情を浮かべて同時に手を打つ。


「いいじゃん、ダブるけど小さな贅沢だって。
服だって、向こうでタイシルクのドレスかスーツを親父に見立ててもらう方がいいんじゃねえの?」


「あ、それいいっ!
そうと決まれば、搭乗時間までを有効利用しなくっちゃね。
と言う訳で、もう行っちゃうね。
ふたりとも忙しい中、お見送りありがと。
お留守番よろしくね?」
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