君は君のままでいて
綺麗に、行儀よく白くて細長いお皿の上に並んだ芸術品のようなオードブルを、パクリと一口で飲み込みながら緑風はそう言う。


あ、せっかくシェフの人が手間ヒマかけて作った料理なんだから、もっと味わって食べれば良いのに。


「それって、僕達事務方の仕事が………って事だよね?
うん。
確かに実際に毒や剣を使って、って訳じゃないけどね。
負けるわけにも、引くわけにもいかない場合には結構あざとい手段に出る事もあるものね。
国と国の面子もあるし、面倒だよね。」


ふう、と小さく溜め息を吐きながら僕も手にしたフォークをお皿へ伸ばす。
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