君は君のままでいて
キラキラと光をはじくコンソメのジュレを身にまとった白身魚は、口の中でほわりとほどけて舌の上に芳醇な味わいを広げてくれる。


少し遅れて口の中で溶け出したコンソメの味と混ざり合うと、またその味わいが醸し出す新しい至福が訪れる。


「うわぁ。
………美味しい。」


言葉を発するその息に、この至福の口福が零れ落ちてしまいそうで、僕は口を押さえた。


「んん?
そんなに感激する程、旨かった?」


感激する僕の様子が大袈裟だったのかな、緑風が少し笑いながら僕を見る。


だって。


それぐらい美味しいんだもん。
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