君は君のままでいて
「ん。
メシを旨いと思えるんなら、まだまだ美樹は大丈夫なんじゃね?
ハードな毎日を過ごしてる割りには、余裕あるじゃん。」


緑風はそんな風に言ってくれるけど、僕はその言葉で今日まで取りかかっていた仕事の事を思い出してしまった。


「う。
仕事の話をしないでよ。
胃が痛くなっちゃうんだからね?
僕はこのグラスぐらいに繊細なんだよ?」


ちょっぴり大袈裟に言って、薄くて軽い繊細な造りのシャンパングラスを指しながら僕は緑風を軽く睨む。


勿論、本気なんかじゃないんだけどね。
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