君は君のままでいて
ワインも美味しいし。


お料理もすっごく綺麗で芸術品みたいなのに、食べると打ちのめされるぐらいに美味しいし。


美味しいとすっごく幸せな気持ちになれるし。


すっごくすっごく素敵な事だよね?


だからもっとこんな素敵で幸せな気持ちを味わいたいんだよね。


ちょっとふわふわとした気分で、なんだか笑い出したくなるような感じを覚えながらも、僕は注がれたワイングラスにさっそく手を伸ばしてグイ、とあおった。


「あ、ちょっと待てって!」


なんだか焦ったように緑風が慌てていたけど、口に含んだ美酒の薫りは素晴らしいもので。


僕は思わずグラスの中身を飲み干してしまう。
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