君は君のままでいて
「ワインなんて、水代わりに飲むもんだって言ってもな、一応は酒なんだからな。
あんなぶっ倒れるような飲み方しちゃダメだろ?
………心配したんだぜ。」


最後に付け加えるように添えられた緑風の本音が、僕の胸を締め上げる。


きっと、レストランで意識を失くした僕を抱いて、ここまで運んで来てくれたんだろうけど、今までずっと心配しながら付いていてくれたんだと思う。


すっごく心配をかけちゃった自分の行動を反省しながら、僕はゆっくりと起き上がって緑風の首に抱き付いた。


「ごめんなさい、緑風。」
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