制服のボタン
距離
辛いだけの夏休みが終わった。
翌日。
病み上がりの、気だるい身体を引きずり学校に行くと。
教室に入るなり私を見て。
ザワザワと賑わっていた教室が一瞬シーンとして。
みんな目を丸くした。
「何、それ?」
驚いた沙織の第一声。
何それはないでしょ。
普通、朝は"お早う"だろ。
って、思うけどまぁ無理もないか…
「変?」
「…似合うけど…」
ならいいじゃん…
あんまり突っ込んで欲しくないから…
触れて欲しくないんだけど…
「アンタまさか…?」
「…気分転換…」
ニッコリ笑って。
自分の席に荷物を置き、座ろうとする私の腕を沙織が掴んだ。
沙織が放っておいてくれるはずないよね…
やっぱり屋上か…
ため息付いて項垂れる私を沙織は屋上に連れ出した。
「それってどうゆう意味?」
「だから気分転換だって」
「気分転換でそんなバッサリやったの?」
バッサリってさ…