制服のボタン
私が宥められるはずだったのに。
結局沙織を宥めながら始業式の為、体育館に向かった。
屋上から下りる途中、平山に会った。
髪を切った私を見て驚き何か言いた気だったけど。
私は目を合わせず素通りした。
他のクラスの女子達いや、男子もか…
私を見るなり、みんな驚きを隠せず目を丸くした。
そんな中を、何事も無かったかの様に私は顔を上げて歩いた。
この日の私は完全に時の人…
始業式での校長の話しは退屈で。
眠気さえ覚える。
近くの女子の、くだらないヒソヒソ話にもウンザリ…
(何で切ったのかな…)
(川上と何かあったとか…)
男子は男子で。
(川上の好みにしたのか)
(まさか別れた…チャンスじゃねぇ)
私はその男子をギロリと睨んだ。
わかっていた事だけど。
ウザイ。
まーた噂が飛び交う訳か…
まぁ何とでも言って…
半ば。
噂話には慣れと諦め。
気にもなんなくなった。