制服のボタン
やっぱり陵弥を傷付ける…
そんな顔しないで…
辛くなるから…
陵弥を思って、苦しくなるから…
「…ごめん」
私は逃げる様に中庭を後にした。
………………
それから数日の間。
陵弥と別れたんじゃないかとか…
また、私の気まぐれが始まったとか…
噂だらけ。
私は噂から、逃げる様に屋上にいた。
鉄柵に寄り掛かり。
空を眺めていた。
「サボリ!」
振り向くと沙織が。
「噂…陵弥の耳にも届いてるみたいよ」
………………。
「相当険悪で、卓でさえ手を妬いてるみたい…」
「私にどうしろって…」
「アンタ陵弥の気持ち考えてる?」
「考えてるよ。だから…」
言葉を詰まらせる私に。
「アンタ自分が傷付きたくないだけでしょ!」
…なっ…
「陵弥が好きならとことん2人で傷付いてみなよ」
「…2人で…?」
「誰も傷付かない恋愛なんかないんだよ」