制服のボタン
平山は俯くと。
「あたし…アンタに酷い事して…その…ごめん…」
…今更ながら謝られても。
そんな気持ちの方が強かった。
「その髪ってこの間の公園の事が原因…?」
「別にそんなじゃないよ…」
「…陵弥があの日言ってたんだけど…トラウマになったんたって…?
あたし…本当に悪い事したと思ってて…」
平山…?
少し間を空けて、私が。
「…本当だよ…それで陵弥とギクシャクしちゃって…
私、触られるのが怖くて震えちゃうんだ」
苦笑いしながらこう言うと。
平山の顔が曇った。
「…ごめん…謝って済む事じゃないけど」
「…私…陵弥に抱かれるのも、触れられるのも怖くなっちゃって…」
私がそう言うと。
「…あの公園で…あたしも奴らに同じ事されかけたんだ。それをたまたま通り掛かった陵弥が助けてくれて…」
同じ事…って…
…通り掛かった…?
何が言いたいの?
「あたしさ、1年の時から陵弥が好きだったんだ。だけど…陵弥の目はいつもアンタを追ってて…悔しくって」