制服のボタン
「朝から…」
「ヤりませんッ!」
怪しい言葉を言いかけた陵弥を、遮る様に即答してやった。
陵弥に渡された上着の真ん中…
私が持ってるボタンが付いてた所。
鞄からソーイングセットを出して。
私の上着の真ん中のボタンを外す。
太い安全ピンでお互いのボタンに名前を刻んで。
白のマーカーでその上をなぞると、白く名前が浮き彫りになる。
そして陵弥の上着に私のボタン。
私の上着に陵弥のボタンを付けた。
黙ってそれを見て居た陵弥が、満足そうに微笑んだ。
「はいどーぞ」
上着を差し出すと。
陵弥は私の手までしっかり握り、引き寄せて。
キスをした。
唇を離すと陵弥が。
「凜花ちゃーんサボろ…」
って肩に手を回す。
「イーヤだ!サボりたかったら陵弥1人でサボれば!」
私は上手く交わして。
「行って来まぁーす」
って陵弥の家の玄関を出た。
「待てって…」
私を追う様に陵弥も玄関を出た。