制服のボタン
「…誕生日プレゼント…」
「俺に?」
コクンと頷いて陵弥に差し出した。
「文化祭の前の日に渡そうと思ってたんだけどね…」
包みを開けた陵弥が。
嬉しそうに。
「サンキュ」
って。
私も嬉しくなって陵弥に寄り添った。
「ジャーン」
と。
色違いの瓶を見せて。
「同じだよ」
って言うと。
「凜花って香水付けてなかったよな?」
「うん。でもこれってキツクないから…私も付けてみようかな…って」
そう言うと。
「俺と同じ香りしてたら誰も手出せないよな…」
って耳元で囁いて。
真っ赤になった私に。
「ほれ」
って香水を一振り。
フワッと甘い香りに包まれたかと思うと。
「キャッ…」
何故か陵弥に押し倒されてる…
笑顔を作って。
「何?」
って言うと。
黙らせる様に唇を塞いだ。
陵弥と同じ甘い香りに包まれて。
甘い時間に溶けてゆく…