制服のボタン
陵弥を巡って私に敵意を持ってたなんて思えない程、人が変わった…
平山も誰かの恋愛の影で泣いた一人だよね…
…あっ……
「陵弥じゃなくて卓君に用があったんだけど…」
「卓?多分中庭じゃない」
中庭…
「ありがとう」
平山にそう言うと中庭に向かった。
中庭に行くと。
ベンチに腰掛け携帯を見つめる卓君がいた。
ゆっくり顔を上げ。
私に気付くと。
「…沙織の事だよね…?」
って弱々しく言った。
「沙織…休んでるけど…」
私がそう伝えると。
「そっか…」
と顔を曇らせ。
また携帯に視線を落とした。
私は卓君の隣に腰を下ろして。
「昨日…沙織泣いてた…」
私が言うと。
卓君が。
「…沙織に…別れるって言われたよ…」
えっ?……別れる?
……嘘。