制服のボタン


昨日一緒だった娘は一学年上でずっと前から卓君を好きだったらしく。

何度も告白される度に断ってた事。


最後の文化祭を一緒に過ごして欲しいと言われた事。

それも断ると諦める代わりに一度デートして欲しいって言われた事。



それが昨日の…



キスも卓君からした訳じゃなくて。



無理矢理されたものだった事…



それを目撃した沙織と揉めた事。



「沙織にはちゃんと言ったの?」




「言ったよ…でも…全然取り合ってくれなくて…
言い合いしてるうちに売り言葉に買い言葉みたいになっちゃって…沙織が別れるって…」






沙織…気が強いから…






「謝ろうにも携帯は拒否されっぱなしだし。家に行っても会ってくれなくて…」




すると陵弥が。




「付き合う気もねぇ女に気持たせる様な真似すっからだろ…」





「陵弥の言う通りだ…軽率だったって反省してる」





そう卓君が言った。




あの娘に諦めて貰う為の卓君の優しさが。




逆に沙織を傷付けてしまったんだね…







< 138 / 177 >

この作品をシェア

pagetop