制服のボタン
結局着せられたメイド服。
こんなで客と写真撮るのか…
笑顔が引き吊るんですけど………。
「沢村さんは廊下で客寄せお願いね!」
って。
渡された看板。
廊下ぁ?
勘弁してくれ…
「はぁいさっさと行く!」
そう言う沙織が鬼に見えた。
こうなりゃヤケよ…
看板掲げて。
「いらっしゃいマセ御主人様…♪」
と。
笑顔で振り向いた先に…
…………ゲッ……
…陵弥…
制服をホスト風に着て髪をセットして、ホストモードの陵弥が。
目を丸くしてパチパチ瞬き。
隣にいた卓君までも…
すでに目が笑ってますけど。
既に廊下は文化祭に来たお客さんで人が増え初めていた。
「コラッ凜花サボんな!」
って中から顔を出した沙織に叱られ。
卓君に手なんか振って。
いいよね…沙織は普通のカッコでエプロンして。
私は引き吊った笑顔を陵弥に向けてくるりと背をむけた。
背中に陵弥と卓君の大爆笑の声が聞こえた。
…もうぅ…後で覚えなよね…