制服のボタン

「俺と付き合って!」




あーまたか…



男と切れるとこうやってまた、告られてる私。


見るからにヤル気ばかりが滲み出て自信満々な男。


ニヤニヤ笑ってキモイつうの。


前の男と何も変わらないじゃん。


コイツも私が誰とでも寝る女だと思ってるに違いない。




沙織の言う様に変わらなきゃいけないのは私かも知れないな…




スカートのポケットの中のボタンを握った。





「どう?俺、上手いと思うし」




口角を上げ自信満々に笑みを浮かべる男に思わず本音が出た。





「キモッ…」




しまった…


と思って口を押さえるも、しっかり聞こえちゃったみたいで…




「ざ、ざけんなッ!」



あーキレちゃった…


ま、いっか…




「ごめんね。私くだらない恋愛は止める事にしたから!ヤりたいだけなら他当たってよ!」



こう言うと。



みるみる険しい表情に変わり明らかに憮然とする男。



その場を立ち去ろうと背を向けた視線の先に中庭のベンチが見えた。





「待てよ!」



後ろから肩を捕まれ。




「誰とでも寝る女がふざけんな!」




振り向くと振り上げた男の手が見えて。




殴られる…咄嗟に目をギュッと瞑った。






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