制服のボタン
「いいじゃんデートくらい」
って、引かないし。
そこへ。
「いい訳ねぇからッ!」
って、珍しく私の教室まで陵弥と卓君がやって来て。
「いいじゃん!陵弥のケチ」
「何だとッ!凜花に手出すなって言ったろが!」
ってギャーギャー。
沙織と卓君まで煽って何だかんだと。
…落ち着かない…
つうか…ウザイ。
頭の上で…ギャーギャーと。
イライラするんですが…
「ねぇ凜花ちゃんいいでしょ」
って子犬みたいな顔で幸樹君が私に聞いてくる。
初めは苦笑いしてた私も。
「ねぇ幸樹君。何で私なの?私、陵弥と付き合ってるんだよ…?」
と、言うと。
「…だから…陵弥の彼女だから。陵弥に負けたくないし」
って笑顔で。
……………。
はぁぁ…このコとことん陵弥がライバル…?
陵弥に負けたくないとかって、
……そんな理由…?
「絶対に陵弥から奪って見せるから!」
って、宣言してどうする!