制服のボタン
翌日も幸樹君は、何事もなかったかの様に私の前に現れた。
「凜花ちゃん。今日は俺に付き合ってよ!」
「…ごめんね今日は沙織と約束があるの」
今日は沙織とクリマスプレゼントを買いに街に行く。
「えーなら俺も混ぜて!」
って子犬みたいに上目遣い。
カワイイ…
って、どこで覚えたんだか女の子よりオネダリ上手じゃん。
でも…幸樹君とこれ以上親しくするのは…ちょっと危険。
「ごめん…」
「邪魔しないからッ」
って、中々諦めてくれない幸樹君に。
「幸樹君。今度お姉様が遊んであげるから今日は勘弁してね」
と、沙織の助け船…
助かった…沙織サンキュ。
私と沙織は幸樹君をおいて早々に教室を出た。
陵弥と付き合う前の私ならきっと、ウザイとか言っちゃってたと思う。
陵弥の従弟ってのもあるけど、何か弟みたいで何となく突き放せないんだよね…
私が幸樹君を弟みたいに感じ。
男として見ていなかった事が、彼を傷付けちゃってたなんて知らなかった。