制服のボタン
私も幸樹君の目を見て続けた。
「夏休み前に、陵弥の事が好きだったコの嫌がらせで。薄暗い体育館倉庫で身体中触られて…
そしたらね、男の人の手が怖くなって…陵弥にでさえ触られるのも怖くて。
…レイプされかけた光景がフラッシュバックして…陵弥に抱かれるのが怖くて震えてたの…」
幸樹君は黙ったまま顔を曇らせた。
「それが原因で私ね、2ヶ月も陵弥の事拒否して会う事すら出来なかったの…
幸樹君が無理矢理に私を抱いたらきっと私…またトラウマになって幸樹君の事、怖くなっちゃうよ…?
…それに身体だけ抱いても私の心は陵弥だけのものだから…
…それでもいいなら…好きにしていいよ…」
幸樹君は項垂れて黙ったままだった。
玄関が開く音がして。
「凜花!」
息を切らした陵弥が入って来た。
ベッドの上の私を見ると、幸樹君に掴みかかり手を振り上げた。
「陵弥止めて!」
すると陵弥の動きが止まって。
私に向かって。
「凜花はコイツを庇うのか」