制服のボタン

幸樹君が口を開いた。



「俺…陵弥が羨ましかったんだ。どんなに頑張っても手に入んない凜花ちゃんの心を独り占めしてて…
でも、凜花ちゃんの辛い体験聞いて俺じゃ受け止めきれないって…陵弥だから受け止められたんだって気付いたから…その…ごめん」





陵弥はフッと柔らかく笑うと。




幸樹君の頭をクシャと撫で上げた。





陵弥のお許しを貰った幸樹君が。




悪びれもせず。







「凜花ちゃんの胸のキスマーク見たら、誰だって固まるよな!俺のだって言わんばかりに付いてんだもん」





って。




な、何て事言ってんのよ!




…私は真っ赤。




陵弥は額に手を当て笑ってるし。




「ば、ばッかじゃない!」



………………





結局、幸樹君は冬休みになったら家に帰る事になり。




クリスマスパーティーは予定通り陵弥の家でする事に。





幸樹君も誘ったんだけど、お邪魔虫は遠慮するって学校から真っ直ぐ家に帰って行った。





幸樹君が現れたお蔭で改めて、陵弥への好きって気持ちに自信が持てたよ。









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