制服のボタン

私に前を向かせ髪に触れる。



優しく撫でる様に指を通す。



「本当に綺麗な髪だな」





その言葉に私の心臓はドキドキし始める。






陵弥の指先が髪に触れる度熱を帯びてゆく。





背中を向けていて顔が見えないのに、まるで陵弥の瞳に見つめられている様な気持ちになった。







やだ…何でこんなにドキドキするんだろ…






指先が首筋に触れピクッと身体が震える。





陵弥が触れる感触に全神経が集中して。





このまま何かされても抵抗なんか出来ない…






私の激しく波打つ心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかって動揺した…



……………




耳元に陵弥の気配を感じ。





「何をビクついてる?」





って囁かれ。




真っ赤になる私が。




耳を押さえてゆっくり振り返ると。





陵弥が口元に手を被せて笑いを堪えていた。




な、何なの…





絶対、からかわれてない?





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