制服のボタン
「そのボタンが信頼の証、みたいなもんなんじゃないの?」
…信頼の証…?
退屈な授業に集中出来るはずもなく、窓の外を眺めていた。
中庭のベンチからこっちを見てるヤツ。
…陵弥…
…プッ…
何、手振なんか振って。
似合わないじゃん…
すると。
ポケットの中で携帯が震えた。
――――――――
今日も家に来い
――――――――
…………………
何これ… 来いって何よ。
普通は来ない?とかじゃないの…
携帯のディスプレイから窓の外に視線を移すと、ベンチから立ち上がった陵弥が私を見上げていた。
木に囲まれたベンチは教室の窓際でも多分、私の席からしか見えない場所。
私は小さく左手で丸を作って窓の外に向けた。
また、携帯が震え。
――――――――
帰り下駄箱で
――――――――
用件のみの絵文字も何もないメールだけど、それが陵弥らしく思えた。
――――――――
スエット後で返すね。
Thank you(^.^)
――――――――
そう返信した。