制服のボタン
響き渡る陵弥の声。
シーンとした空気の中、陵弥が口を開いた。
「噂なんか真に受けんじゃねぇ。コイツはそんなつまんねぇ女じゃないッ!?
お前らと一緒にすんなツ!」
「…っ……」
唖然とする女子に目もくれず、私の腕を掴み。
「行くぞ」
そう言った。
「ちょっとぉ陵弥ぁ…」
私に突っ掛かった女を睨み。
そこにいた女子が不満そうな顔をしていたけれど、陵弥は完全無視で。
慌てて靴を履き替えた私の目の前に手を差し出した。
………
一瞬、戸惑ったけれど私はその手を掴んで横に並んだ。
隣に並ぶ私を陵弥は、満足そうに笑みを浮かべ見下ろした。
…変なヤツ…
だけど…
…嫌なヤツ…じゃないかも…
嫌味な女子を黙らせて、私をつまらない女じゃないと言った。
本当、変なヤツ…
でも…
何かコイツの隣も嫌じゃないかも…
って、私どうしちゃったんだろ…
こんな事思うなんて…
……変…