制服のボタン
「さっきから何?」
へっ?
頭の上から陵弥の声が聞こえたと思ったら。
目の前に陵弥のドアップ。
変なヤツだけど顔だけは見とれる程、綺麗よね…
綺麗って…えっ?…近い?
「ぅわぁッ」
余りの顔の近さに身体がのけ反った。
「ちょ、ちょっと何よ?」
「ボケッとしてるからだろ」
私から離れ陵弥が言う。
そうだった。
陵弥の家にいるんだった…
ずっと考え事しちゃってたんだ私。
「…ねぇ…何で私に構うの?」
だって、わかんないんだもん。
知りたいんだもん。
何で私なのか…
「ボタン…」
…えっ?…ボタン…?
「お前がボタン持ってる限りは俺の事、信じるだろ」
そう言うと、私を引き寄せて。
私を見つめた。
私は見つめられ何かを予感した。
陵弥の目を伏せた色っぽい顔が近付いて、唇か触れた瞬間…
私も目を閉じた。
多分…それが陵弥を受け入れた瞬間だった。