制服のボタン
傍にいさせて
気付いた気持ち
教室に戻っても相変わらず聞こえるヒソヒソ声。
廊下を歩けば陵弥の取り巻きに出会して。
「身体使って男モノにして楽しいのかしら〜」
「どうせ直ぐ飽きて違う男に乗り換えるんじやないのぉ〜」
嫌味の嵐。
よくもまぁそんな酷い言葉が出て来るよなって程…
「な、ちょっと…「沙織いいからッ!」
隣にいた沙織がキレそうになったけど。
腕を掴んで止めた。
「凜花いいの?あんな事言われて悔しくないの?」
私は首を左右に振った。
…悔しいよ…
でもね…言い訳なんて通用しないじゃん。
男を取っ替え引替えしてたのは事実だもん…
「自業自得だから…」
って苦笑い。
何を言われても陵弥が信じてくれるならそれでいい…
初めて傍にいてもいいって思ったんだから…
だけど…いつもの事とは言え、こんなにボロクソ言われる私なんかでいいのかな…
そう思ってるのも本当…
恋愛するのにこんなに複雑な気持ちになった事なんかないや。
「沙織……恋愛って難しいんだね…」
そう言うと沙織は。
こんな事を口にした私に少し驚いていたけれど。
優しい目をして微笑んだ。