制服のボタン
陵弥は私の手に指を絡め、ずっと黙ったままで。
私もずっと黙ったまま俯いて歩いた。
陵弥の家に着くと無言のまま部屋に入り、扉が閉まると同時に抱きしめられた。
優しく頭を撫でる陵弥の手が心地いい…
陵弥の匂いのする胸が温かい…
たった数日でこんな事思った男なんかいない。
私…この腕の中にずっといたい……
「陵弥…私…傍にいたい。傍にいてもいい…?」
すると陵弥は。
「俺は傍にいろって言ったろ…お前に…凜花に傍にいて欲しい」
そう言って顎を持ち上げ優しいキスをくれた。
「何言われても俺はお前だけだから、お前も…凜花も俺だけ見てろ」
そう言って真っ直ぐ私を見つめる陵弥の瞳が優しくて…私はコクンと頷いた。
「だったら泣くな。
いつまでもそんな顔してると俺がもたねぇ…」
…………。
顔が赤く熱を帯びていくのがわかる。
「…ばか!」
恥ずかしくなって陵弥の胸に顔を隠した。