制服のボタン

ブツブツ文句言ってた陵弥も結構楽しそうに卓君と言い合いしてるし。



そんな2人に私も笑顔になる。




注文を取りに来た女の店員が2人を見て顔を赤くした。



近くの席にいた女の子達までもがチラチラ2人を見てるのがわかる。





本当に目立つのね…





(あの2人カッコよくない?)
(あのコどっちの彼女だろ…)




こんな会話が聞こえてくるのに、当の2人は全然お構いなし。



私は聞く耳を立てちゃう……



(多分、茶髪の彼の方じゃない?凄く優しい目で見てるし)
(うん。お似合い…羨ましいよねぇ)






えっ?…優しい目…?


…陵弥とお似合い…





私、陵弥の彼女に見えてる…?




何か人からそんな風に言われると戸惑う…





誰と付き合っても陰口ばかりだったし…




ちょっと照れくさ…





けど…本当に嬉しいかも。





素直に思う。




「1人でニヤけんな気持ち悪ぃな」



陵弥がそう言ってコツンとオデコを小突いた。



「ぃたッ」



オデコを押さえると。



「トイレ!」




陵弥が席を立った。





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