制服のボタン
黙り込んでいた沙織の肩をポンと叩いて背を向けた。
卓君とスレ違う時に。
「沙織の事お願いね…」
そう言うと卓君が笑顔を見せて頷いた。
私は沙織を卓君に託し、陵弥の元に駆け寄った。
陵弥は私の頭を撫で。
「よく出来ました」
って、言うと私の手を握って屋上を後にした。
沙織と卓君がどうなるかは2人の事だからわからないけど。
でも、辛い恋をしていた沙織にはもうこれ以上苦しんで欲しくない…
そう思ってる…
……………………
……………………
「ねぇ?どこ行くの?」
「俺んち」
「またサボりぃ?テスト近いのにぃー」
本当は嬉しいんだけどね…
「俺は優秀だから困んねぇーよ。嫌ならこのまま授業受ければ」
って、私が嫌だって言わないと確信してる癖に意地悪く言うんだから。
ちょっと膨れて見せると。
チュッと頬にキスして。
陵弥には敵わないや…
意地悪い陵弥も
優しい陵弥も全部好きだもん……