制服のボタン

憎たらしく言う、陵弥の前にドンッと皿を置いた。





「…オムライス」



「お口に合うかワカリマセンガ!」




私も棒読みで皮肉たっぷりに言う。





スプーンで一口掬って口に運ぶ陵弥をじっと見つめた。







「…ぅまい…」



「そ…」

内心じゃホッとしてる癖にわざと素っ気なく言ったりして。





「マジで上手い!」




美味しそうに食べる陵弥に私も笑顔になる。





「陵弥も自炊してるんだね?」




道具は揃ってるし、冷蔵庫に結構モノあるし…






「まぁ、たまにな…」





何か想像出来ないってか、買い物してる陵弥の方が想像つかないか……






「1人暮らしだし。出歩くの面倒だから」





「何で1人?」




「言ってなかった?俺の親、海外赴任中」




海外…赴任…




「淋しくない?」



「昔から鍵っ子だったし、今は…凜花がいるしな」




ヤダ…きっと顔真っ赤だよ私…




こんな台詞をサラッと言ってしまう陵弥が憎たらしい。




美味しそうにオムライスを平らげる陵弥が愛しい…






< 68 / 177 >

この作品をシェア

pagetop