制服のボタン
憎たらしく言う、陵弥の前にドンッと皿を置いた。
「…オムライス」
「お口に合うかワカリマセンガ!」
私も棒読みで皮肉たっぷりに言う。
スプーンで一口掬って口に運ぶ陵弥をじっと見つめた。
「…ぅまい…」
「そ…」
内心じゃホッとしてる癖にわざと素っ気なく言ったりして。
「マジで上手い!」
美味しそうに食べる陵弥に私も笑顔になる。
「陵弥も自炊してるんだね?」
道具は揃ってるし、冷蔵庫に結構モノあるし…
「まぁ、たまにな…」
何か想像出来ないってか、買い物してる陵弥の方が想像つかないか……
「1人暮らしだし。出歩くの面倒だから」
「何で1人?」
「言ってなかった?俺の親、海外赴任中」
海外…赴任…
「淋しくない?」
「昔から鍵っ子だったし、今は…凜花がいるしな」
ヤダ…きっと顔真っ赤だよ私…
こんな台詞をサラッと言ってしまう陵弥が憎たらしい。
美味しそうにオムライスを平らげる陵弥が愛しい…