制服のボタン
屋上を出て階段を下りると。
陵弥の取り巻きだった、平山って女がいた。
柄の悪そうな男数人と…
…一瞬目が合う…
けれど平山は直ぐ目を反らし、一緒に居た男達の話の輪に加わった。
陵弥にあれだけ言われたんだし、もう何もして来ないか…
そして通りすがりに…
…えっ…
小さく何か呟いた。
(このままで済むと思うな)
私にはそう聞こえたけど…
「平山も陵弥にあれだけ言われて音無くなったね。一緒に居た奴らは柄悪そうだったけど」
沙織には聞こえなかったの?
私の気のせい?
チラッと振り向いた時。
一瞬だけど、私を睨み付け薄気味悪い笑みを浮かべている様に見えた…
何?
「凜花どうしたの?」
「なっ何でもないよ」
一瞬見えた平山の顔を、振り払う様に沙織に笑顔を作った。
この時、陵弥にちゃんと話していたらあんな事にはならなかった…