制服のボタン
平山の呟いた言葉が気になっては居たけれど。
下駄箱に寄り掛かって、私を待つ陵弥の横顔を見て、何だか安心した。
「お待たせ!」
すると腕組みしていた手を私の前に差し出して。
私は笑顔でその手に自分の手を絡める。
……………
「夏休みどうする?」
「海にも行きたいし。花火大会もいいよねぇ…あっ見たい映画もあるんだ…」
…クスッ…
あれこれ提案する私の頭の上で笑う陵弥。
「やりてぇ事一杯あって忙しいよな」
って…夏休みだよ!
陵弥と長くいられるし…
楽しみに決まってるじゃん……
「取り敢えず、毎日凜花は俺といてくれる訳だ?」
……そんなの…
「毎日来ていいの?」
そう言って見上げると。
「ばーか。当たり前だ」
そう言って。
優しい目で私を見て。
どちらからともなく唇を重ねた。