制服のボタン
傷付いた心
明日から夏休み。
私はずっと浮かれていた。
毎日陵弥に会えるし、長くいれる。
やりたい事、行きたい所が一杯あって気分はすっかり夏休み…
退屈なHRの担任の話なんか上の空…
「じゃーね沙織…卓君に宜しく!」
「うん。メールするね」
沙織と別れ陵弥の待つ下駄箱へ。
何だか嬉しくってスキップなんかしちゃったりして♪
下駄箱に行くと陵弥の姿はまだなく…
ちょっと早かったか…
「ねぇ」
振り返ると。
…平山…
「ちょっと陵弥の事で話あるんだけど…」
平山が今更…
「何?」
「ここじゃちょっと…」
そう言うと私を促す様に歩き出した。
仕方なく後を追う。
下駄箱のある昇降口を抜け、人気のない体育館裏まで来ると。
平山の足がピタリと止まり。
直ぐ横の倉庫の陰から柄の悪い男数人が出で来て。
驚く間もなく。
口を塞がれ身体も押さえ付けられて倉庫の中へと押し込まれた。