制服のボタン
青ざめ固まる平山の顔を絞る様に掴み。
「平山ァ…言ったよなぁ凜花に何かしたら女でも容赦しないって。覚悟出来てる訳?」
淡々と低く言い放つ陵弥を初めて怖いと感じた。
「ヒィッ…」
陵弥は締め上げる手を弱めず平山は涙目になりながら顔を歪める。
…陵弥…
私は震える手で陵弥のシャツを掴むと。
「陵弥…ヤメて…」
私を見ると陵弥は。
「…俺は一生許せねぇ…」
「もういいからっ」
私が言うと。
平山の顔から手を離した。
男達はアタフタと扉に駆け寄って。
「グェッ…」
と声がしたかと思うと腹を押さえて膝を付いて崩れ落ちた。
「大丈夫か?」
「凜花っ!」
卓君と沙織…
男達は卓君に蹴りを食らったんだ。
私は力が抜け崩れそうになったのを陵弥が支える。
「陵弥…どうして…」
「下駄箱には居ねぇし。携帯も繋がんねぇし」
携帯…陵弥だったんだ…
「平山と歩いて行くの見た奴が居たからもしかしてって…」