制服のボタン
「凜花!」
沙織が駆け寄ると体操着を羽織らせてくれた。
「ごめん…ありがと…」
沙織は泣きながら首を横に振った。
「歩けるか?」
陵弥が私を覗き込む。
「ぅん…」
私はそう言うと陵弥抱き抱えられる様にゆっくり歩きだした。
扉の前に座り込んでいた私の上に覆い被さっていた男に、陵弥は思い切り蹴りを入れ倉庫を出た。
すると。
フワッと身体が浮き、陵弥が抱き上げて。
「陵弥…目立っちゃうよ…」
「裏道行くから少し我慢して。卓!先に行くから後頼む」
「おうっ!」
そうして陵弥は体育館裏の細い道を辿り、人目につかない道を走り出した。
陵弥の家に着くと直ぐにベッドの上に私を座らせ。
Tシャツを出してくれて。
「着替えよう…」
そう言うと体操着を脱がせた。
ボタンの弾け飛んで、前の合わさらないブラウスから下着が露になると。
陵弥は悲しそうな顔をして私の頬に手を触れた。