制服のボタン
そこへ沙織と卓君が来た。
「凜……」
陵弥の腕の中なのに、小刻みに震える私を見て2人とも言葉を失った。
陵弥が。
「…沙織ちゃん…凜花の着替え頼んでいい…俺じゃ怯えるから…」
そう陵弥が沙織に言った。
「…ごめ…」
…男の手が怖い…
陵弥だとわかっていても震えが止まらない。
陵弥の傷付いた顔を見ると涙が止まらない…
陵弥は沙織に着替えを頼み、卓君と部屋を出て行った。
…………………。
「凜花…」
「…ごめ…さぉり…」
沙織にしがみついて泣き崩れた。
沙織は泣きながらずっと私の背中をさすってくれて。
少し落ち着かせて着替えさせてくれた。
「何も考えないで少し休みな…」
そう言って陵弥のベッドに寝ている私の頭を撫でた。
沙織の優しい手に安心したのか、泣き疲れたのか静かに眠りに付いた。