制服のボタン


そこへ沙織と卓君が来た。

「凜……」




陵弥の腕の中なのに、小刻みに震える私を見て2人とも言葉を失った。





陵弥が。



「…沙織ちゃん…凜花の着替え頼んでいい…俺じゃ怯えるから…」



そう陵弥が沙織に言った。




「…ごめ…」




…男の手が怖い…



陵弥だとわかっていても震えが止まらない。





陵弥の傷付いた顔を見ると涙が止まらない…







陵弥は沙織に着替えを頼み、卓君と部屋を出て行った。

…………………。




「凜花…」




「…ごめ…さぉり…」




沙織にしがみついて泣き崩れた。






沙織は泣きながらずっと私の背中をさすってくれて。




少し落ち着かせて着替えさせてくれた。





「何も考えないで少し休みな…」




そう言って陵弥のベッドに寝ている私の頭を撫でた。




沙織の優しい手に安心したのか、泣き疲れたのか静かに眠りに付いた。









< 84 / 177 >

この作品をシェア

pagetop