制服のボタン
愛しいさと、苦しさが入り交じった切ないキスが辛かった。
私が陵弥にこんな顔させて…る…
そう思うとズキッと胸が痛む。
手を離した陵弥が頭を撫でる。
今までなら陵弥の優しい手が好きだったのに…
今は優し過ぎて辛い…
ばーか…っていつもみたいに意地悪く言って欲しい。
止まったばかりの涙がまた溢れ出すと。
悲しそうに顔を歪ませる陵弥が涙を拭いてくれた。
私が泣くと陵弥が悲しむ…
笑わなきゃ…
私が笑えば陵弥は安心する…?
涙を拭う陵弥の頬にをに手を伸ばし。
両手で包み込んで笑顔を作って引き寄せた。
そして陵弥の唇を指でなぞると。
陵弥は私の手を掴み。
「ばーか。無理して笑うな」
って言って。
そっとキスした。