制服のボタン



……キス…?





…絶対キスだ。






「なっ何すんのぉーー」




叫んだ勢いでそのままバランスを崩し咄嗟に掴んだ男の腕。




『『ウワァッ!』』




2人同時に発した声と共にベンチの上に…




…ドサッ…






背中にベンチの感触。



私の顔の両脇には男の手。






目の前には男の綺麗な顔。






さっきより激しく怪しいこの体勢…


目をパチクリさせて固まった。






そして。







「誘ってんの?」





カーッと赤くなる顔。


「ち、違っ!」







すると男はスッと離れ。





私をベンチから立たせた。







恥ずかしさが込み上げ俯くと。





「変な女」






…な、何よ変な女って
…アンタの方がよっぽど変な男でしょ!





そう思いながら顔を上げると同時にまた、唇に触れる柔らかい感触。






「な、何すんのよ!!」




また、のけ反って叫ぶと。



「お礼!」





あーお礼ね…


って違うでしょ…








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