制服のボタン
「具合が悪くなったあなたを、陵弥君が送ってくれたのよ」
って、ママが言ってた。
………………。
それから暫く。
部屋に隠りっきりで夏休みを過ごした。
陵弥の顔を見るのが怖くてあの日から会ってない。
とっくに手首の跡は消えたのに。
私を苦しそうに見つめる陵弥の顔を見るのが辛くて。
携帯も電源を落としたまま放置した。
陵弥はどう思っているかな…
もう愛想尽かしたかも知れない。
抱けない女と一緒に居ても傷付けるだけ…
苦しめるだけ…
きっと罰が当たったんだ。
いい加減な恋愛を繰り返して…
私が傷付けた人達への報い…
こんな私が誰を好きになっちゃいけなかったんだ…
手首の跡が消えても夜になると薄暗い倉庫での恐怖に襲われる。
膝を抱えてベッドの上で丸くなって震え。
東の空が明るくなり始めると浅い眠りに就く。
…壊れそうだった……