制服のボタン
会いに行くのはやっぱり怖い。
勇気も出ない。
気を紛らわす為に、やりかけの宿題を広げてみたけど。
集中なんか出来なくて。
真っ白なノートの隅に落書きをした。
…陵弥…
何度もなぞる様に…
すると、携帯が震えて。
ビックッと驚いて身体が跳ねた。
……………。
陵弥からの着信だった…
…ドキンッ…
恐る恐る携帯に手を伸ばし。
川上陵弥と表示された文字を見つめる。
ゆっくり開いて耳に当てると。
『ばーか!出んのおせっーよ!!』
…なっ……
いつも通りの陵弥だった。
『さっさと会いに来い!いつまで俺を待たせんだ。
ばーか!』
ばーかって…
…何言って…
『いいから今直ぐ来いっ!』
そう言うとプツッて切れた…
「何よ…言いたい事だけ言って切っちゃったじゃん…」
しかも今直ぐ来いって…
会いに来いって事…?