制服のボタン


家に帰ると部屋のベッドに潜り込んだ。




頭まで毛布を被って泣いた。





どれだけ泣けば涙は渇れるのか…






どれだけ泣いたら陵弥を忘れられるのか…





まともな恋愛をした事のない私には、結局出せる答えが見つからない。






その夜から。






私は体調を崩して3日間入院した。





「睡眠不足に貧血だって?ちゃんと食べてるの?
痩せたみたいだけど」




沙織がかけた携帯にママが出て教えたらしく。




沙織が病室に顔を出した。




「うん。明日には退院するから始業式には行けるよ」





「陵弥は知ってんの?」




私は首を左右に振ると。


「…沙織…陵弥には黙ってて。お願い」



……………。



何で…と言う顔をする沙織に。





私は公園での事を沙織に話した。






「誤解かも知れないじゃない?ちゃんと確かめてないんでしょ?」





私は黙って頷いた。







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