制服のボタン

陵弥の話しをちゃんと聞いた訳じゃない…




誤解なのかも知れない。



だけど…



どんな理由があっても、今は陵弥が、他の人と抱き合う姿は見たくなかったよ…





もう頭の中ぐちゃぐちゃで、どうしたらいいのかわかんない。






「沙織…少し距離を置きたい…」






こんな気持ちで陵弥に会う気にはなれなかった。



多分…傷付けるだけ。




「信頼って崩れる時は脆いんだね…」





すると沙織が。




「凜花…別れる気じゃ…」



…別れる…



「…わかんない…でも…今は陵弥の傍に居る方が辛い」





今までならきっと簡単に別れを選んでた。






面倒な事は自分から放棄して。






だけど…




こんなに辛いのは。



初めて好きになった人。



だからこんなに苦しい。






「…勝手だけど暫くそっとして置いてって、陵弥に伝えて」





「それでいいの？」








「…私…陵弥が怖い…」