ゆきうさぎ
角地を利用したスペースにちょっとした公園を作っていた。狭いため、ブランコと砂場と滑り台があるだけだった。
ブランコの雪を払い座るスペースを作った。
あの子はと言うと、キャッキャいいながら真っ白な地面に足跡を付けていた。
そんな姿を懐かしいと思った。
前にもこんな事があった。そう、いつだろ?
足跡をつけるのに飽きたのか少女はしゃがみこんで何かを作っていた。
「何作ってんだ?」
ブランコから降りて近づいた。
「うーん、うさぎを作ってるんだけど上手くいかない。」
「可愛く出来てるじゃん。」
「ありがとう。お兄ちゃんも作って。一人は可哀想たから。」
…面倒くさい。と思ったが、少女の手は真っ赤になっていてもう一つ作ればいいじゃん。と言いにくかった。
「…一つだけだからな。」
少女の作ったゆきうさぎのとなりにもう一つのうさぎを置いた。
『ちょっと大きいかな?』
「ふふふっ。お兄ちゃんと私みたいね。」
少女が嬉しそうに笑って見せた。
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