ハイスクールデイズ
なんて陰湿ないじめなんだろう。

雨の日も風の日も、正隆は門の前で待っている。

「お客様への挨拶は仕事の一部だからね」

販売店の店主の言葉を思い出し、モモはもごもごと朝の挨拶を口にする。

差し出された朝刊を受け取りながら、少年は挨拶とは全く別の言葉を言いたげに口を開くのだが、言葉はなぜか出てこない。

(こんな所、長居は無用だ)

強く自分に言い聞かせたモモは、相手の目を見ないようにして、急いでその場を後にした。

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