ハイスクールデイズ
不可解な思いを抱きつつも、ゆっくりとページをめくっていく。

体育祭、修学旅行、文化祭……一枚めくるごとに、こみあげる懐かしさで胸が一杯になり、気がつけば、時が経つのを忘れていた。

手帳の書き込みは卒業式の日で終わっていた。
この日、正隆は、やさしく微笑んで「卒業おめでとう」と言ってくれた。
自分も同じ言葉を返したと思う。

「あっ!」

そこに付された◎を見た時、そのマークの持つ意味が、まるで天啓でも得たように理解できた。

会えなかった日は●、目が合った日は○、そして、言葉を交わした日は……。
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