『花、愛でる人』

彼の向かいの椅子に腰を下ろして、肘をついた。



栗色の綺麗な髪が、サラサラと艶めいている。
癖一つ無い綺麗な髪の毛だ。




「……お客さんが来たら起こそう」




それまでは、眠る蓮の横顔を独り占め。




「それくらい、良いよね」




誰に言うでもなく呟き、テーブルに突っ伏した蓮に視線を合わせた。


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