『花、愛でる人』
へいへいっと、わたしを軽く受け流しながら夏葵は行き場のなくなった苺を口の中へと放り込んだ。
それに目もくれずわたしは、仕上げの苺で飾られたケーキをさっさと箱に詰め込む。
「出来た。……残りあげるよ」
「……直滑降」
「すべり台だし」
「大差ねぇし」
小さくため息を吐いた夏葵は、面倒くさそうにすべり台の載った皿を手に取った。
見かけによらず甘党だからな、夏葵は。
けだるそうな不機嫌面だけど、なんだかんだ付き合いの良いお人好し。
「……受け取って貰えるかな」
「今更か?」
「だってさ……ほぼ初対面なワケだし」
ホントは会いに行きたかったけど、タイミングもきっかけも無くてずっと躊躇してた。
ウジウジ悩んでるわたしに見かねて、夏葵が出してくれた提案が差し入れ。
どうせなら印象に残るようにって、手作りにしたは良いものの……。
出来上がったのはすべり台状のケーキ。
綺麗な部分だけを切り取ったとはいえ……いささか不安は残る。
どうせなら、褒められたいなんて……欲張りかな。
それに目もくれずわたしは、仕上げの苺で飾られたケーキをさっさと箱に詰め込む。
「出来た。……残りあげるよ」
「……直滑降」
「すべり台だし」
「大差ねぇし」
小さくため息を吐いた夏葵は、面倒くさそうにすべり台の載った皿を手に取った。
見かけによらず甘党だからな、夏葵は。
けだるそうな不機嫌面だけど、なんだかんだ付き合いの良いお人好し。
「……受け取って貰えるかな」
「今更か?」
「だってさ……ほぼ初対面なワケだし」
ホントは会いに行きたかったけど、タイミングもきっかけも無くてずっと躊躇してた。
ウジウジ悩んでるわたしに見かねて、夏葵が出してくれた提案が差し入れ。
どうせなら印象に残るようにって、手作りにしたは良いものの……。
出来上がったのはすべり台状のケーキ。
綺麗な部分だけを切り取ったとはいえ……いささか不安は残る。
どうせなら、褒められたいなんて……欲張りかな。