メガネなアイツ
帰ると、ポストには封筒と教科書が入ってた。

「私の教科書?」

2年B組 高橋美紀

わたしのだ。

教科書には、紙が一枚はさまってる。

”ごめん。俺の引き出しの中に入ってた。 高橋 侑 ”


高橋??


高橋・・あぁ、あの転校生かぁ。
メガネ君のわりに、けっこうかわいいトコあるじゃん。
でも、興味ないけど・・・。





「高橋 侑。」





気づかないうちに、私は侑の名を口にしていた。

侑っていうんだ・・・へぇ、意外。



私は、教科書をかばんにいれて、家の中に入った。




あの時は、まだ、気づいていなかったかもしれない。

もしかしたら、認めたくないだけだったかも。

だけど、いまになって、やっと言える。

私は、メガネのアイツに恋していたんだ。



次の日、私はいつもより早く学校へ行った。

「あれ、美紀、きょうはやいじゃん」

「うん。ちょっとね・・・。」

私は、かばんを置くと、すぐに、高橋くんのところに行った。

「あの・・・。」

好きでもないのに、ドキドキした。

「っん??」

本を読んでいた高橋君が、私のほうをチラッと見た。

「あの・・・昨日は、ありがと。わざわざ、届けてくれて。」

「俺のほうこそ、ごめん。」

「ねえ、侑ってよんでいい?」

「いいけど・・・」

「うんっ」

その日を境に私は、侑と話すようになった。


「やばい、宿題やってないよ。侑、たのむ。ノート見せてっ」

「見たら、ちゃんと返せよっ」

「分かってるって。」


友達以上恋人未満

ってよくいうけど、侑との関係は、ただの友達だった。

あの日を過ぎるまでは・・・・。



侑と知り合って3ヶ月。侑とは、何でも話せる友達同士になっていた。

侑とは、いつも一緒にいたから、周りから噂されてたみたいだったけど、そんなの、気にしなかった。だって、侑は最高な友達であって、恋人じゃないことを、みんな知ってたから・・・。




































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