永遠にきみに
春期講習も終わり、いよいよあたしは中学校の入学式を迎えた。
緊張はあったけれど、不思議と不安はない。
塾で知った顔があると思うと、心強かった。
「あーやーねー!」
門をくぐり抜けると、あたしに気付いたアイコが大声を出して呼んでいる。
下駄箱の辺りで、人だかりが出来てるのはなんだろ?
急いで近寄っていくと、掲示板にクラス分けの発表が貼り出されていた。
「彩音、彩音!うちら同じクラス!」
「ほんと!?」
「ほんとほんと!よかったねー!」
「まじよかったー!アイコと一緒なら楽しいよっ」
「わたしも彩音と一緒なら楽しいっ!」
アイコがぴょんぴょん跳ねながら、あたしに抱きついてくる。
あたしもうれしくなって、一緒にぴょんぴょん跳ねていると、いきなりアイコが「そうだ!」と叫んだ。
「彩音さ、夏木くんと白石くん覚えてる?塾でクラス一緒だったじゃん」
「あ…うん、わかるよ」
名前を聞いた途端、ドキンと胸が高鳴った。
いや、反応しすぎだあたし!
冷静ぶって、アイコに返事をした。