永遠にきみに
クラスの雰囲気は、まだどこかぎこちなくて、同じ小学校の子たちで固まってしまっている。
あたしも同じ小学校の子たちを何人か見つけて、笑顔で手を振りあった。
塾の子たちも何人かいるみたいだ。
その子達にも手を振る。
思わず教室を見回して夏木の姿を探してしまったけれど、どうやらまだ来てないようだ。
なんだ…まだ来てないんだ。
「隣の席、どんな子だろうね!?」
楽しくふくらんでいた気持ちが、一気にしぼみそうになる。
アイコの声に顔をあげた。
「あ…うん、どんな子だろうね?」
あいまいにうなずいておく。
座席は、出席番号順に1列ごとに男女交互になっている。
隣には絶対男の子がくるはずだった。
しばらくすると、アイコの隣には小柄な男の子が座った。
クリクリとした目で、耳が大きな、小動物のような子だった。
アイコはその子を見るなり、笑いをこらえるような顔で、あたしを見た。
口パクで『おサルさん!おサルさん!』と、何度も言う。
それを聞いたあたしも笑いをこらえるのに必死だった。
おサルさん…!まさにそんな感じ。